ガラパゴスでゾウカメの甲羅を背負ってみた

旅体験記

進化のゆりかごと言われるガラパゴス。
ダーウィン進化論をまとめる大きな影響を与えた島々としても有名ですね。

2017年10月、魅惑の島々、ガラパゴス諸島に行って、ゾウガメの甲羅を背負ってみました。

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ガラパゴス、ってよく聞くけど、実際どこにあるのか分からない。

という人も多いかもしれませんね。実は私はそうでした。

南米エクアドル本土から西へ1000km、赤道直下にあります。
赤道直下にあるけれど、そんなに暑くありません。朝夕は長袖を羽織らないと肌寒いほどです。
それは南極の方から冷たい海流が流れてきていて、涼しい気候にしているのです。

ガラパゴスへは、エクアドルのグアヤキルまたはキトから飛行機で3時間前後。
綺麗な海が見えてきて、小さな島に着陸です。

 

自然を守る入り口

ガラパゴスの空港に着いたら、入島管理のカウンターがあり、入島税を一人100USドル払います。(エクアドルに住む人は、また別の料金設定になっているそうです)

入島税は諸島内の7つの関係機関に配分され、自然環境の保全インフラ整備に利用されます。


これは、空港のゲートを抜けると一番はじめに迎えてくれる看板です。
観光客が遵守しなければならないルールが描かれています。
「動物に触らない」「動物に2m以内には近付かない」
「いかなる物も採集したり持ち出さない」

など、自然をそのままの状態で見学して保全するよう定められています。

動物たちがのびのび生息できるように自然を守る、大切なことですね。

 

個性豊かな動物たち

ガラパゴスの動物ってなんて愛らしいんでしょう。

まず、はじめに出会った動物たち。
ガラパゴスの街を歩いていると、道端でウミイグアナに出会います。
ごはんを食べていると、フィンチが頭にとまってきます。
魚市場では、アシカペリカンがおこぼれを期待している姿がにくめない。

 

無人島に渡ると出迎えてくれた、アカメカモメはお辞儀好き。
アオアシカツオドリ、青い足がキレイですね。
英語名は、BLUE-FOOTED-BOOBY、青い足ののろまなやつ、という意味です。
実際は高速ダイブで魚をとるかなりのハンターです。
かつてガラパゴスに寄港した漁船の乗組員達の餌として殺された時、あまりにじっとして動かなかったので、この名称になったそうです。
「アホウドリ」の名前の由来と同じですね。それだけ警戒心がなかったのでしょう。

 

メスにアピールするグンカンドリ。長いときは、7〜8時間膨らませっぱなしだとか。
ダーウィンの進化論に影響を与えた、ヨウガントカゲ
恐竜みたいなリクイグアナ。ウミイグアナとのハイブリット種もいるそうな。

 

ガラパゴスと言えば!ガラパゴスゾウガメでしょう。
甲羅の形で大きく2種類に分けられます。
ドーム型鞍型。海近くに鞍型のゾウガメが多く、海を渡ってきた人が鞍型ゾウガメを発見。
甲羅が馬の鞍に似ていたことから、スペイン語で”馬の鞍”を意味した galápago と名付けられた。
このカメの島だから、ガラパゴス

カメはのんびり歩きますが、甲羅を背負ってみると納得。
重いんだな、これが。30kgはありました。
カメの気分になれるのでオススメです。

 

地球が生んだ素晴らしき自然

ガラパゴスの素晴らしさは、動物だけではありません。
地球を感じる荘厳な自然の魅力にも取り憑かれます。

海底火山のホットスポットから島々が生まれました。
なんとなく並んでいるのは、地球のプレートが動いているからです。
火山の島には、地下に溶岩トンネルがあります。


残念ながら、溶岩トンネルに入った時のワクワク感は写真では伝わりません。
ぜひ行ってみてください。


ガラパゴスは、1978年に世界自然遺産として登録されましたが、
2001年には、ガラパゴス海洋保護区も含めた登録となり、海も世界遺産になりました。
とっても綺麗です。

こんな綺麗な島々ですが、1990年代以降、急速に観光地化が進みました。
それにともない人口の急増、直接的な環境汚染や撹乱外来生物の繁殖、横行する密漁など、多くの問題が持ち上がり、2007年6月、危機遺産リストに登録されました。
その後、エクアドル当局の取り組みが評価され、2010年に危機遺産リストから外されましたが、引き続き自然を守っていく姿勢は忘れてはいけません。

 

ガラパゴスの人々

ガラパゴスの街は、ゆったりと時が流れていて、動物も人も主役に過ごせるところでした。
ここに住む人たちも、柔らかい表情で過ごしていました。


市場の近くの、可愛い小人のお家みたいなお店に入ると、素敵な絵がいっぱい。
このアオアシカツオドリの絵は、ガラパゴスコーヒーで染めているそうですよ!

 


南米大陸から来たマヤの人のお店は、ペルーにいる気分になる笑
でもよく見ると、ガラパゴスらしい模様や色使いが。

 


ナチュラリストガイドのキケさん。
諸島内の観光は、ナチュラリストガイドと呼ばれる公認ガイドの同行が必要です。ナチュラリストガイドはガラパゴス人(ガラパゴスに住む人)しかなれないそう。
1998年ガラパゴス特別法ができ、ガラパゴスへの移住には制限がかかったそうです。
ナチュラリストになりたかったら、ガラパゴス人と結婚するしかない!とガイドさんが言っていました笑

 


グアヤキルからガラパゴス滞在中まで案内してくれた、ミチさん。
ミチさんの両親が日本から南米に渡り、旅行会社を立ち上げました。
色々苦労があったそうですが、今では旅行業のかたわら、お寿司屋さんも経営するなど、幅広く活躍中。
ミチさんのガラパゴスへの想いも熱く、動物自然ガラパゴスのこれからについても色々話してくれました。

ちなみにここは、2017年10月にサンタクルス島にオープンしたクラフトビールのお店。
ガラパゴスコーヒーが入ったビールや、パンプキンビールなど変わり種がおすすめです。

ミチさんの旅行会社→GALACAMINOS 社長も社員さんも素敵です☆

 

ガラパゴスのこれから

ガラパゴスのサンタクルス島には、約16000人住んでいて、
そのうち6000人が子どもたちだそうです。

島の未来は子どもたちにかかってる

ミチさんは言っていました。
子どもたちが、ガラパゴスの自然の素晴らしさと尊さを学べるように、一緒に植林を行いました。


ガラパゴス自然保護基金 植林プロジェクト です。

人口増加などにより、ガラパゴスの森林は減ってしまいました。
外来種の渡島により、固有種・在来種が追いやられ生態系が変わってきました。
ゾウガメは山から海へ産卵に行くときに、外来種のキイチゴに阻まれます。

少しずつでも、自然な姿に戻していこう。
スカレシアという成長が早い固有種を、地元の高校生とともに植林しました。

どっちが高校生かわかりませんが笑
1年に数メートルのびるというスカレシア。これからの成長が楽しみです。
こちらにもレポートがあります→ガラパゴスの森再生プロジェクト

素晴らしい自然、ガラパゴス
いろいろ課題はあるけれど、
動物と人は共生できるんじゃないかな、と思った島。
これからもユニークな島であってほしいな。

素晴らしき自然を生んだ、地球に感謝。

 

ギャラリーはこちら→ガラパゴスギャラリー

 

ちなみに、2017年10月19日に、ガラパゴスから日本へ出した手紙は、

今も届いていない模様です 笑